元U-18野球日本代表が、ベンチャー企業で内定ブルーになり半年で転職した話。
起業する事へのハードルが下がり、どんどん学生起業家が生まれている時代。
今回は、元U-18日本代表の野球一筋学生がベンチャー企業への就職を経て、4ヶ月で独立した背景について迫ります。
(※この記事は約6分で読み終わります。)
きっかけは、巨人の4番、岡本選手への敗北感
ーなぜU-20日本代表になったにも関わらず、プロではなくビジネスの道を選んだのですか?
まず、高校時代は明徳義塾高校と言ういわゆる強豪校で野球をさせてもらっていました。周りにはすごい選手がたくさんいて、その中でスタメンを取りに行く努力をするハングリー精神と、徹底的にやり抜く力を身につけさせて頂いと思っております。試合で打てなかった時には、試合の日の夜から朝の6時まで素振りをしていた時もありました。(笑)
その頃は、大学でも強豪校で経験をつみ、プロにいく将来像を描いていました。しかし、大学を選ぶ時、ふと考えることがありました。
「今まで強いチームで戦っていたが、そこまで強くないチームをどこまで上に引っ張りあげることができるのだろう?」
と。その思いを試してみようと、地元大阪の大阪学院大学に入学し、当時リーグ最下位だった野球部に入部しました。
ー実際野球部に入部してどうでしたか?
思った以上に成果を出すのは難しかったです。。。今までの強豪校での経験では、ある程度部員の意識が同じベクトルに向いていたため、自分の実力をあげることにしっかり注力できていました。しかし、大学の部活となると、バイトや授業の忙しさ、野球に対する意識の違いから部員の意識を同じベクトルに合わせることが想像以上に難しかった。
3年生でキャプテンを任された時、自分一人で300人ほどの部員をまとめ上げることに限界を感じました。そこで、副キャプテンに「自分の一番信頼できる人」を任命しました。ここで言う「信頼」とは、「こいつの思うように勝手に動いてもらっても、同じゴールに向かってくれる」という確信です。
この副キャプテンに絶対的信頼を起き、チームのマネジメントを共同で進めていくことで、チームの細部まで意識が行き届くようになり、徐々にチームの成績も上がり始めました。
この経験から、万年最下位だったチームをマネジメントによって、リーグ上位まで持っていける。この力を野球以外でも使えるのではないかと考えるようになりました。
ーその考えが生まれて野球からビジネスの世界へ?
この経験から、自分の別の可能性にかけて見たくなったのは事実です。しかし、野球をやめたのにはもう1つの理由があります。それは、今の巨人の4番、岡本選手の存在です。僕は才能ではなく、誰よりも泥臭い努力で勝ち上がってきた人間と言う自負があります。岡本選手に出会うまでは自分の努力次第で誰にでも勝てる。と考えていました。
しかし、岡本選手と出会って、「圧倒的な才能の差」を突き付けられました。見た瞬間に、「敵わない」と思いました。この経験は僕の中で大きな挫折でした。でもそれと同時に、「野球では負けたけど、他の分野では絶対負けない。」とい強い決意にもつながりました。
そこで思いついた分野が、ビジネスです。野球選手の選手人生は長くても15年。15年後までに、ビジネスの分野で勝って、その時もう一度野球でつながりたい。と考えるようになりました。野球人生が終わった時、セカンドキャリアを始められる場所を自分が作っておき、提供してあげたい。
そんな想いから、ビジネスの世界に入ることにしました。
ベンチャー企業に入社後、4ヶ月で起業
ーベンチャー企業に入社後、4ヶ月で起業とは、、すごいスピード感ですね。
ベンチャー企業に就職した時に思い描いていたキャリアプランがあったからです。ビジネスの世界に入ろうと思った時から、起業すると心に決めていました。ファーストキャリアとしてベンチャー起業を選んだのは、「スピード感を持って営業を学ぶため」。まだ整っていない環境の中で、変化に順応しながら大きな自分の営業としての実力をつけたい。
そう考えていた為、自分の満足した段階で辞めようと考えていました。実際、営業について学び切ったかといえば、そうでもないかもしれません。コツコツと営業経験を重ねてきた社会人の先輩の皆様からは、「4ヶ月で何がわかる?」と言われるかもしれません。
しかし、自分の夢に向かって進みたい気持ちは抑えきれませんでした。そもそも、営業を学んでから独立すると言う考えが甘くて、いつ営業をはじめても学びながら成長することには変わりない。それなら、今すぐ自分の夢に向かって進んでいこう。と思いました。
ー今はどんな目標に向かって進んでいるのでしょうか?
今は、スポーツに打ち込んでいる学生に、「スポーツに打ち込みながら、幅広い世界をみて仕事にを選んで欲しい」。そんな学生に素晴らしい信念を持った企業と出会いの場を提供したい。という想いで事業を展開しています。
僕自身、大学の4年生の途中まで野球をやめると考えてもおらず、とにかく野球に打ち込んでいました。そのため、就職活動に割く時間が他の学生よりも短く、急ピッチで行う就職活動がかなり負荷に感じていました。
大学で体育会として部活や勉強に打ち込んでいる学生にとって、就職活動は大きな負担になります。自己分析やES、企業を探すところから、面接に行くまで。部活の最上級生として頑張りながら、研究活動にも打ち込み、就職活動に臨んだ結果、満足に進められないと言う学生もいます。
そんな学生たちの負担を少しでも減らし、納得感のあるキャリアを歩んでもらいたい。就職するにしても起業するにしても。
そんな思いが軸となって、現在の事業を進めています。
ー就活生に伝えたいメッセージはありますか?
出来るだけ多くの人に会いに行って欲しい。自分の親でもいいし、他の人でも、先輩後輩、恋人でもいい。ちょっとでも興味を持った人にはとにかく会いに行って欲しい。
生きていく上で対人関係は大切です。人を見る目と、可愛がってもらう能力を身につける。それが最終的に自分の人生の土台になっていくと考えています。
もし人生の崖っぷちに立たされた時、手を差し伸べ合う事のできる人が周りにいれば助けることができるし、助けてもらえるかもしれない。けれど、周りに人がいなければ、そのまま崖から落ちていくしかない。
ビジネスの世界でも、より多くの人と協力して、より良い世界を作って行けたら素晴らしいと思いますし、そうすることがビジネスの勝ち方だと考えています。
自分が会いたいと思った、自分に会いたいと誰かが思ってくれた時に会いに行かなければ、人とのご縁という人生の土台はできません。学生には、ちょっとでも気になった人、5分だけでも会いたい、ビール1杯だけでも飲みに行きたいと思った人には全員に会いに言って欲しい。そこで多くを学んで、ご縁を頂いて、広い視野を持って就職活動に望んで欲しいと思います。