大手企業/中小企業/ベンチャー企業の違いとメリット・デメリット

2020年6月10日

やっぱり大企業って安定なの?
中小企業とかベンチャー企業と何が違って、どっちがいいの?

就活をはじめる時、多くの人が悩むことです。

全員に当てはまる答えはありませんが、自分の価値観・希望の働き方を分析すると、どちらが向いてるかを判断することはできます。

なぜなら、企業の規模感によって給与や自由度、働き方に大きな違いがあるからです。

筆者が様々な規模の企業で務めた経験から、それぞれの規模感の企業のメリット・デメリットをまとめてみました。

この記事を読めば、自分にあった企業の選び方がわかるはずです。

(※この記事は約8分で読み終わります。)

大企業と中小企業の定義とは?

一口に大企業、中小企業といってもどう違うのか。

まずは定義から解説していきます。

大企業の定義

大企業は、法律上定められた定義がありません。

しかし、大手企業は一般的に中小企業の基準を超える企業を指しています。

以下で中小企業の説明をするので、それ以上の規模は全て大企業だと考えてください。

中小企業の定義

中小企業の判断基準は、下記のように資本金・出資の総額と常時使用する従業員の数で決められています。

中小企業の定義

https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/caripedia/48

業界によっても違いますが、就活生にわかりやすい判断基準は「人数」です。

自分の興味のある企業は何人くらいの会社なのかで大企業とそれ以外を分けて考えましょう。

ベンチャー企業の定義

就活市場で人気のベンチャー企業ですが、こちらも明確な定義はありません。

一般的に、次の特徴をもつ企業はベンチャー企業に当てはまるでしょう。

・設立から5年程度と比較的若い会社であること

・インターネットサービスなど新しいビジネス領域を手がけていること

・裁量権(自分が判断して動ける範囲)が大きいこと

https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/10896/

私服出社、働き方が自由、新規事業立ち上げに関われるなど、魅力を感じる企業が多いため、ベンチャー志向の就活生が増えてきています。

大手企業/中小企業/ベンチャー企業のメリット

ここからは、上記の3つの規模感の企業で働くことのメリットを解説していきます。

あなたの価値観にあったポイントを探して、就活の参考にしてください。

大手企業のメリット5選

  1. 福利厚生
  2. ネームバリューや社会的信用
  3. 会社の将来性や安定性
  4. 給与(ボーナス・昇給含む)
  5. 労働時間・休暇時間

1つ1つ解説していきます。

1. 福利厚生

大手企業は福利厚生が整っていることが多いです。

年金・保険の制度だけでなく、社宅完備または家賃補助、語学研修の費用など、海外研修などもさせてもらえる企業もあります。珍しいものだと「恋人の誕生日休暇」という休暇も存在します。
(TOYOTA:http://tfc-saiyo.jp/recruit/welfare.html)

2. ネームバリューや社会的信用

社会的・個人的にも信頼を得られやすい傾向があります。これは「大手企業なら業績もよく、将来も安定。汎用的なスキルを身につけていると判断されるからです。

転職や独立の際にも大手企業の名前がステータスとなり、有利に感じる人もいるようです。

3. 会社の将来性や安定性

聞いたことのある企業の社員さんに接客してもらうと安心しますが、初めてきく企業名の社員に接客されるとちょっと不信感を抱きますよね。

会社の認知度が高ければ、顧客からの信頼も獲得しやすくビジネスを進めやすくなることが考えられます。

また、大手企業は財力があるため、ちょっとしたことで潰れることは考えにくく、勤めることの将来性や安定性もあると言えるでしょう。

4.給与(ボーナス・昇給を含む)

大手企業の給与は、ボーナスや各種手当、昇給などを合わせると、高い傾向にあります。

小さな企業になると基本給も低く、ボーナスも出ないことはざらにあります。

平均的に収入が高いことは大手企業のメリットと言えるでしょう。

5.労働時間・休憩時間

昨今、「働き方改革」が叫ばれていますが、大手企業では働き方改革として就業時間を厳格に管理している企業が多いです。

また、産休・介護休暇の取得を促進したり、心身のリフレッシュを測るための休暇を設けている企業も多数あります。

中小・ベンチャー企業のメリット5選

  1. 人間関係
  2. 仕事内容
  3. 労働環境・休暇制度
  4. 社風・企業文化
  5. スピード感

1つ1つ解説していきます。

1.人間関係

社員が少ないため、アットホームでコミュニケーションが取りやすい特徴があります。

これは企業規模が小さいほど強い特徴となって出てくるでしょう。

2.仕事内容

中小・ベンチャー企業の場合、幅広い仕事に携われることが多いため、やりがいを感じる人が多いと言えます。

また、経営層や上司との距離が近いため、「自分のアイデアを提案したい」と考えた時、実現までのスピード感がとても早いです。

3.労働時間・休暇制度

大手企業で充実しているイメージのある労働時間・休暇制度ですが、中小企業・ベンチャー企業でもしっかり管理している場合が多いです。

また、働きたい時に働ける「フレックスタイム制度」を導入している企業も多く、より自由な働き方にシフトしてきています。

4.社風・企業文化

中小・ベンチャー企業の場合、社長や上司との距離が近いためか、社風や企業文化の浸透がしっかりとなされている場合が多いです。

特にベンチャー企業では今の時代にあった自由な社風を推進している企業が多く、その浸透の度合いもしっかりしている企業が多いです。

5.スピード感

上司との距離が近く、承認を受けるための手続きもシンプルなケースが多いことから、自分が考えた案を実現させやすいです。

実際筆者も、自分で作った社内制度を直接社長に提案して、即採用・実施となったことがあります。これは中小・ベンチャー企業ならではなのではないでしょうか?

大手企業/中小企業/ベンチャー企業のデメリット

ここからはデメリットについて解説していきます。

大手企業のデメリット選5

  1. 人間関係
  2. 社風・企業文化
  3. .労働時間・休暇制度の取りにくさ
  4. 人事制度(評価・昇給)
  5. 業務量

1つ1つ解説していきます。

1.人間関係

大手企業は社員数が多いためか、人間関係に苦労すると感じる人が多いです。

ライバルも多いため、うまく高め合う関係を作って置かないと職場の人間関係が窮屈になります。

2.社風・企業文化

企業は独自の社風や文化を持っていますが、大手企業ほどその社風に逆らいにくい空気感がありあます。

年功序列の社風や「上司に気に入られる」ことが昇進する方法になっていることも多いです。

3.労働時間・休暇制度の取りにくさ

労働管理が徹底されていない企業では、月の残業時間が規定時間を超えていたり、休日出勤が常態化している場合もあります。

労働管理の徹底にも弊害があり、仕事の遅い人は「働きたいのに働けない」⇨「仕事が終わらない」⇨「仕事ができないと判断される」といった悪循環も生まれています。

4.人事制度(評価・昇給)

大手企業では、評価・昇進・研修を含めたキャリアプランについて、一定のガイドラインを設けている場合が多いです。

しかし、規模が大きいがゆえに個人の実績が見えづらく、またポストも空きにくいことから、なかなか役職が上がらない...と悩む人も多いです。

5.業務量

大手企業の場合、取引先も多く、それに比例して業務用も増えると言えます。時期によっては人員の確保が難しく、社員一人にかかる負担が増えてしまうケースもあるようです。

この現象と「働き方改革」に挟まれ、決められた時間の中で大量の仕事をこなす必要が出てきます。

中小・ベンチャー企業のデメリット5選

  1. 給与(ボーナス・昇給を含む)
  2. 会社の将来性や安定性
  3. 福利厚生
  4. 人間関係
  5. 労働時間・休暇制度

1つ1つ解説していきますね。

1.給与(ボーナス・昇給を含む)

給与制度は企業によっても異なりますが、一般的には同じ業務内容でも、大手企業よりも少なくなる傾向があります。

また、ボーナスや昇給も会社の業績によって変わってくるので、「友達はボーナスあるけど、うちの会社はない…」といったことが起こります。

2.会社の将来性や安定性

ネームバリューが強くない中小企業では、安定や将来性を担保できる要因が見えにくいです。

事業領域が小さいと、将来の事業展開に不安を抱かざるを得ないことが多々あります。

3.福利厚生

働きやすい環境作りに取り組む企業もありますが、福利厚生や各種手当などは大手企業と比べると充実していないことが多いです。

筆者の経験だと、家賃手当がない会社もありました。

4.人間関係

メリットでもあるアットホームな人間関係ですが、気の合わない人と働くことになった場合、規模の小ささが思わぬ衝突を招く可能性もあります。

移動や配置転換も大手企業ほど望めないことから、人間関係が原因で退職してしまう人もいます。

5.労働時間・休暇制度

業務量と従業員のバランスが崩れた場合、労働時間は長くなってしまいます。

中小・ベンチャー企業ではお金と人の数が限られているため、一人一人が自覚を持って、効率的に業務に取り組む必要があります。

役職が上がるほど、休日出勤やプライベートに業務を持ち込む必要がでくることも多々あります。

自分の価値観に合うかどうかで判断しよう

この記事をまとめます。

大手企業のメリット/デメリット

メリット

  1. 福利厚生
  2. ネームバリューや社会的信用
  3. 会社の将来性や安定性
  4. 給与(ボーナス・昇給含む)
  5. 労働時間・休暇制度

デメリット

  1. 人間関係
  2. 社風・企業文化
  3. .休暇制度の取りにくさ
  4. 人事制度(評価・昇給)
  5. 業務量

中小・ベンチャー企業のメリット/デメリット

メリット

  1. 人間関係
  2. 仕事内容
  3. 労働環境・休暇制度
  4. 社風・企業文化
  5. スピード感

デメリット

  1. 給与(ボーナス・昇給を含む)
  2. 会社の将来性や安定性
  3. 福利厚生
  4. 人間関係
  5. 労働時間・休暇制度

大手企業にも中小企業にもそれぞれにメリット・デメリットがあります。また、あなたの価値観によって何をメリット・デメリットと捉えるかは違ってくるものです。

与えられた仕事を着実にこなし、安定した生活をしたいといった価値観が強いのであれば大手企業

とにかく色々な業務に関わり、自分の力を伸ばしていきたい。とにかくがむしゃらに働きたい。といった価値観が強いのであれば、中小・ベンチャー企業を視野に入れてみるのも1つの選択肢です。

大切なのは、「自分のやりたいこと」「理想像」をしっかりと持ち、それを実現できる環境を選ぶことです。理想のワーキングスタイルは大手企業なのか中小企業なのか、しっかりと自己分析を行って、就職活動を進めていきましょう!