就活や転職で「成長できる環境」を求めてはいけない理由
日本最大のプログラミングスクール「TECH::CAMP」を経営している株式会社divの代表、真子就有(まこ・ゆきなり)さんの記事が話題になっています。
“成長”を煽る人に負けるな。転職や就活で「成長できる環境」を求めてはいけない理由
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人事に響きそうな言葉ランキングで、常に上位をとりそうな「成長」と言う言葉。
間違いなく大切な意識なのですが、人事は「成長を求める人は、だいたいが続かない」ことを知っています。
この記事では「成長よりも求めること」についてお伝えします。ぜひ、活用してみてくださいね!
なぜ成長を求めてはいけないのか
記事の中では、「幸せな働きか方から遠ざかってしまうから」と書かれています。
イェール大学のジェレミー教授の研究によると、人の仕事の捉え方には「ジョブ」「キャリア」「コーリング」の3つがあると言われています。
- ジョブ(労働)
仕事を単なる労働と捉えている人。働く動機は報酬。より良い報酬があればいつでも転職してしまう。 - キャリア(成長)
成長にとらわれている人。働く動機は「経験」や「自己向上」の実感。目の前の仕事が将来への成長と考えている。 - コーリング(仕事自体が価値)
仕事をすることに価値を感じている人。働く動機は「社会の役に立っている」「自分の仕事には意義がある」という実感。
この3つのカテゴリーの中で、最も幸福度が高く、集中力高く仕事に取り組めている人は「コーリング」の人たちと言う研究結果が出ているそうです。
仕事をすること自体がたのしい
コンビニのアルバイトは「ジョブ」
成長・経験を求めた就職は「キャリア」
理念を持って会社を経営したり、理念に共感して働く社員は「コーリング」
といった形ですね。「コーリング」になると、毎日の出社が楽しみで、休日が憂鬱になるくらい。「業績が順調かどうか」や「売上が上がっているかどうか」なんて関係がない状態になっています。
記事には、勇気を持って「キャリア」と言う考え方を捨て、楽しいと感じる天職を探すことをオススメしたい。と書かれていました。
成長を求めると、入社後内定ブルーに

かく言う僕も、最初は”圧倒的な成長”を求めてベンチャー企業に入社しました。
社会のことを何も知らない私は、面接で大企業との違いを感じ、「毎年200%の圧倒的な成長速度!」と言う謳い文句にひかれました。
「ここならすごい経験ができるかも・・・」と甘い考えで入社を決意しました。
成長したい気持ちは、熱しやすく冷めやすい
確かに、新卒で営業と人事を兼任、自分で社内制度をつくるという経験は他の企業ではできない経験です。しかし、仕事内容が全くやりたいことではありませんでした。
内容は通信業界の営業です。キャリアショップに入って、携帯電話や光回線を売っていました。
ちなみに本当にやりたかったのは「教育」や「新規事業立ち上げ」。
コーリングとかけ離れた状態だった僕は、日を追うごとに気持ちが落ち込んで行きました。
その結果、入社2ヶ月で「内定ブルー」に。
毎日の出社が憂鬱。朝起きるのも辛い。おまけに周りの友達から「くすんだね…」と言われる始末。
成長は"目的のための過程"にすぎない
この時、「成長は目的じゃなくて過程にあるものだ」と認識しました。「成長を感じることが人生の幸福に繋がる」と考え就活していた自分の甘さです。
確かに、最初のうちは成長を感じることで満足感・達成感をえて幸福度がまします。
エクセルVBAでシステム開発。面接ができるようになる。営業成績が上がる。
できることが増えると幸せな気持ちになりました。しかし、やっていることは「通信業界の営業」。
成長は絶対した方がいい
成長を求めて就職した結果、あるところまで行くと「何してるんだろう」と言う気持ちになって決ます。と言うのも、だんだんとルーティンワークになってくるんですよね。
誤解の無いようにいっておくと、成長を求めることを悪としている訳ではありません。むしろ成長しない人生なんて窮屈でつまらないです。
日本の実業家であり、パナソニックを1代で築き上げた松下幸之助さんは次のような言葉を残しています。
”身についた技とか習性とかは、これは生有る限り失われはしない。
たよりになるのは、やはり自分の身についた技、身についた習性。
「道は開く」”勤勉の徳”(松下幸之助)より。
(中略)
勤勉は喜びを生み、信用を生み、そして富を生む。
人間のいわば大事な徳である。
徳であるかぎり、これを積むには不断の努力がいる。”
何かを学習し、成長していくことは人間の本質だと思います。
成長を煽る人に惑わされてはいけない

皆さんに伝えたいのは、「成長を煽る人」に負けてはいけないと言うことです。
紹介した記事の中にも書かれていますが、世の中には、成長できる環境や大きな仕事ができることをアピールする会社がとても多いです。
これが、困ったことに本当に多い。また、人って成長を煽られると弱いんですよね。【あなたの成長に繋がる!】なんて言葉を見たら、なんとなくよく見えてしまいませんか?
就職の面接で「うちの会社で経験を積んで、将来は自分のやりたいことをやれる」と言われると、「なんて社員想いで、いい会社なんだ!」と思ってしまいそうですよね。
僕は入社したベンチャー企業でこの言葉に吸い込まれてしまいました。
しかし、これらの言葉に惑わされていては「キャリア」から抜け出すことはできません。
「成長できるかどうか」ではなくて、「自分が心から天職だと思える仕事」。
社員としてどこかの会社で入るのであれば、会社の理念と自分の理念が完全に一致している会社。
こういったところで働くようにしましょう。心からやりがいを感じられる仕事につけば、毎日が楽しくなり、心に余裕が持てます。
コーリングを目指すには
スティーブ・ジョブズは次のような言葉を残しています。
仕事は人生の重要な位置を占める。
それに満足したければ、最高だと思える仕事をすることだ。
そして最高の仕事をしたければ、その仕事を愛することだ。
スティーブ・ジョブス
最高だと思える仕事を見つけるのは簡単なことでは無いです。
万物流転。諸行無常。
世の中は常に変化していますし、人の心も移り変わっていくものです。
今思いついたことが、5年後も本当にやりたいことなのかなんて誰にもわかりません。
しかし、「今やりたいと思ったことを、今やる」。
これは、コーリングの状態ではないでしょうか。
仕事やお金になるかなんて考えるな
オシャレじゃなくても、インスタグラムで自分の着た服を発信してみる。
食べるのが好きなら、日々食べたものをクックパッドや口コミサイトでレビューしてみる。
人前で話すよりパソコンでの作業が好きなら、プログラミングを学んでみる。
それが仕事になるかなんて、考えなくていいんです。
自分が実際に考えて、行動に移したことしか価値に変わって行きません。
なんとなく、やってみたいことをやってみる。今こうやって記事を書いているのも「なんとなくやってみたい」と言う想いから始めたことです。記事なんて書いたことありませんでしたし、文章を書くのはもはや苦手でした。
なんとなくやりたいからやる
人生を変えるきっかけというのは「なんとなく」なんです。だからまずは、そのなんとなくをやってみないと、絶対に始まりません。
動きつづけさえすれば、人生を変える機会は必ずあります。
やってみて向かなかったら、辞めればいいんです。
やってみたいこと・新しい経験をしなければ、いつまでも成長にとらわれた「キャリア」の状態になってしまいます。
紹介した記事の最後にもありますが、とても共感した言葉だったので、最後にここでも紹介させてください。
仕事に費やす時間は、人生のなかでもとても大きなものだから、満足のいく人生をおくりたいなら「これだ!」と思える仕事をしなきゃいけない。
そして、そうなるためには、自分が本当に好きなことをやらなきゃいけない。
まだそれが見つかっていないなら、探しつづけよう。止まってはいけない。➖スティーブ・ジョブズ
https://www.youtube.com/watch?v=RWsFs6yTiGQ
みなさんが、心からやりがいを感じて、楽しく働けることを祈っています。